学校の先生がうつ病になる原因はなに?
最近、学校の先生がうつ病で休職したり、退職したりする話をよく耳にしませんか?
文部科学省の発表によると、公立学校の教職員で、精神疾患による病気休職者は、全国で5,000人前後いるそうです(平成25年度~平成29年度の調査結果より)。
わたしも、仕事(中学校教員)が原因でメンタルを病み、4年以上も通院・投薬治療を続けています。
わたしのうつ病体験談はこちらにまとめています↓
この記事にたどり着いたあなたは、メンタル不調を感じていますか?
あなたがいま不調を感じているのは、あなたが甘えていたり、頑張りが足りないせいではありません。
「メンタル不調を起こしやすい環境」や「メンタル不調を起こしやすい時期」にぶつかっているからではないでしょうか?
- 公立学校教員の精神疾患休職者についての情報
- 教員がメンタル不調になりやすい時期
- メンタル不調になったときの対処法
- メンタル不調になる前に読んでほしい、おすすめの本
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目次
教員のうつ病に関する文部科学省のデータ
文部科学省の平成29年度公立学校教職員の人事行政状況調査についてというページに、学校の先生の精神疾患に関するデータが発表されています。
調査対象及び調査対象期間は、47都道府県及び20指定都市の計67教育委員会を対象とし、平成29年度の状況を中心に調査したものです。
平成29年度の公立学校教職員の精神疾患による病気休職者のデータをまとめると、以下のようになります。
- 精神疾患による病気休職者は、全国で5,000人前後いる。
- 校種別でみると、①特別支援学校、②中学校、③小学校、④高校の順に多い。
- 性別は、①女性、②男性の順(女性がわずかに多い)。
- 職種別でみると、①教諭、②養護教諭・主幹教諭、④副校長、⑤校長の順(教諭がダントツで多い)。
- 年代別でみると、①30代、②40代、③50台以上、④20代の順に多い。
教員がうつ病になりやすい時期とは?
自分自身が体調をくずした時期や、知り合いの先生で体調をくずした時期には共通点がありました。
わたしの経験と見聞きした情報をもとに、教員がうつ病になりやすい時期について考えていきます。
1)年度初め(4~5月)
新しい体制になるこの時期に、メンタル不調を感じる先生は多いです。
- 生活の変化(転勤、引っ越し、結婚など)
- 仕事の変化(担任、分掌、部活動など)
- 気候の変化(寒暖差、花粉症など)
春にはさまざまな変化が一度に起こるので、それに対応しきれない場合があるのです。
2)新生活に慣れてきた頃(6~7月)
6月になると、新生活に慣れる反面、学級のほころびが見えてきます。
- 行事や部活動の大会が終わって目標を見失ったり、生徒同士のトラブルもで始めます。
また、4月から休みなく働き続けてきた先生の疲れが出てくる時期です。
トラブルが重なるとその対応で心を病んでしまう先生が多いです。
3)夏から秋に変わる頃(9~11月)
2学期は生徒同士のトラブルが起きやすいこともあり、その対応に疲れた先生が病んでしまうことが多いです。
「9・10・11月は、1年の中で最もトラブルが起きやすい時期」です。
理由は以下の5つです。
- 2学期は長いので、中だるみする
- 学級でのグループや力関係が決まってくる
- 1学期に無理していたことが爆発する
- 学級で力を合わせないとできない行事(文化祭)がある
- 夏から秋にかけて、精神的に不安定になる(生徒、保護者、教員)
トラブルが起きやすい時期を知っていれば「この時期が終われば落ち着くから、もう少しだけ頑張ろう」と思えます。
教員がうつ病になるきっかけは?
毎日楽しく悩みもなく過ごしているなら、うつ病にはなりません。うつ病のきっかけになるトラブルが起きるから、うつ病になるのです。
うまくいかない例は人の数だけありますが、私の経験からいうと、4つのパターンに分けられます。
- 生徒とうまくいかない
- 保護者とうまくいかない
- 同僚とうまくいかない
- 管理職とうまくいかない
教員がうつ病になりかけているときの症状は?
私の経験では、うつ病は突然なるものではなく、無理が重なって徐々に調子が悪くなる病気でした。
なので、いま振り返ってみると「これってうつ病かな?」という体からのサインはずっと出ていたのに、見過ごしていました。私の体が出していたうつ病のサインを紹介します。
- 教室に行きたくない
- 生徒が悪いことをしていても注意できない(声が出ない)
- 授業をする前から「どうせ今日も授業がうまくいかないんだ」と思う
- 授業の流れや生徒指導について、いい考えが浮かばない
- 学校で怒った嫌な場面ばかり思い出す
- 自分で自分を否定し続ける
- 寝つきが悪い
- 夜中に何度も起きる
- 寝ても疲れがとれない
- 涙が止まらない
このサインは人それぞれです。あてはまるからうつ病、あてはまらないからうつ病ではないということではありません。
こころやからだが何かおかしいと思ったら、自分で判断せずに病院で診察を受けてください。
教員のうつ病の対処法は?
うつ病にならないための対処法はいろいろあります。簡単にできるものから紹介します。
1)体を休める
- 夜遅くまで学校に残らず、早く帰る
- たくさん寝る
- 土日は仕事をしない
仕事量が多い学校の先生ですから、なかなか難しい部分もあるとは思いますが…。
だからこそ、意識して休まなければいけません。
2)人に相談する
- 信頼できる人(家族、友達、恋人など)
- 同僚
- 管理職
自分ひとりで悩みを抱え込んでしまってはいけません。
人に話すことで楽になることもあります。
3)学校を休む
思い切って、1日年休を取ってみましょう。学校から離れることで、気分がリフレッシュされることもあります。
4)カウンセリングを受ける
私は体調の異変を管理職に伝えたところ、生徒のカウンセリングを担当している臨床心理士を紹介してもらいました。
そして学校も公認で月に2回カウンセリングを受けました。
ほかにも、公立学校共済組合では「教職員電話健康相談24」という事業を行っています。
共済組合に加入している人なら利用できます。
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5)病院に行く
受信する科は、精神科または心療内科です。
どんな場所なんだろう…とドキドキするかもしれませんが、内科や眼科など、他の科に行くのと変わりません。
ただし、予約が必要だったり、評判のいい病院は診察までに数日~数ヵ月待たなければいけないこともあります。
初めて診察を受けるときは、お医者さんとじっくり話をするので時間がかかります。
「誰にも知られずにカウンセリングを受けたい」「休みの日や、夜にカウンセリングを受けたい」という人は、自宅で受けられるカウンセリングサービスというものもあります。
6)数週間休む
私の知っている人では、管理職と相談した結果、1週間休んだり2週間休んだりした人がいました。
7)休職する
私の経験では、最初の1カ月は病休、2カ月目からは休職という扱いになりました。
この場合、医師の診断書も必要です。
心が疲れたときに読みたい本
セルフケアの道具箱
「自分でストレスをやわらげる方法を知りたい人」に、オススメの本です。
著者は、臨床心理士・公認心理士の資格を持つ伊藤絵美さん。
ストレスと上手に付き合うためのワークが100個紹介されています。
「ストレスマネジメント」や「認知行動療法」など、実証的に研究された理論をベースに書かれているので、信頼できます。
「自分の働き方」に気づく心理学
嫌われる勇気
「対人関係の悩みを、心理学の視点で考えてみたい」という人にオススメの本です。
「嫌われる勇気」は、2013年に発売され、200万部を超えるベスト&ロングセラーになりました。
わたしは、アドラー心理学の「課題の分離」を知って、救われました。
課題の分離とは…
自分がコントロールできること(自分の課題)と、コントロールできないこと(他人の課題)を分けて考える、というものです。
嫌われる勇気は、耳で聴ける「オーディブル版」もあります。
プロのナレーターが読んでいるので、内容がスッと頭に入ってきます。
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「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本
もしかして自分は、HSP(Highly Sensitive Person:とても敏感な人)なのかも?と思う人にオススメの本です。
HSPは、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが告白したことでも話題になりました。
私自身、この本を読んで「当てはまるなぁ」と思うことがたくさんありました。
モヤモヤしていた気持ちが言語化されて、ラクに過ごせるようになりました。
まとめ
私は「自分はうつ病にはならない」と思っていました。
でも、様々な条件が重なってうつ病になってしまいました。
うつ病は、誰もがかかる可能性のある病気です。
そして、私がうつ病になった経験から思うことは、うつ病になっても治療すれば楽になるということです。
うつ病になったら人生が終わる、なんてことはありません。怖がりすぎないで。
うつ病を正しく理解することで、あなたが健康に働き、充実した人生を送っていくことを心からお祈りしています。
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