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良い先生ってどんな人?生徒と先生が考える理想の教師像から考える

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あなたは「良い先生」とは、どんな人だと思いますか?

学校の先生は、子どもたちがよりよい成長をするためにサポートする存在です。

  • どんな考え方を持っていたら、良い先生なんだろう?
  • 良い先生の特徴や、心がまえが知りたい!

そんな人のために、この記事では、生徒と教師、それぞれの立場から考える「良い先生」について解説します。

この記事を読めば、あなたが思い描く「理想の教師像」に、新たな視点を加えることができるかもしれません。

先生自身が考える「良い先生」とは(建前ver.)

筆者は、教員として10年、支援員として4年学校に勤めた経験があります。

その経験から「良い先生」とは「子どもを成長させられる先生」だと思います。

子どもの何を成長させるのか?それは、学力と心です。

 

学校は勉強するところなので、学力をつけさせるのは教師の重要な仕事です。

また、学校は集団生活の場なので、ルールやマナーを説明したり、人とのコミュニケーションの仕方を教えるのも大事なことです。

子どもに学力をつけさせ、心の成長を促す「良い先生」の特徴は、次の2つです。

先生自身が考える良い先生とは

①授業力がある先生(教材をしっかり理解している、説明が上手、生徒に考えさせる授業をしているなど)

②子どものことを理解しようとする先生(子どもとよく話す、子どもの困りごとに耳を傾ける、子どもの気持ちに寄り添うなど)

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先生自身が考える「良い先生」とは(本音ver.)

「授業力」と「児童生徒理解力」がある先生は、確かにいい先生です。

でもその2つだけでは、答えが良い子ちゃんすぎるな、と思います。

自分の失敗と、いろんな先生を見てきた経験から、わたしが考える「良い先生」像を語ります。

筆者が考える「良い先生」の条件
  1. 自己肯定感が高い
  2. 自分のコンプレックスを自覚している

自己肯定感が高い

「①自己肯定感が高い」は、ありのままの自分を認めている、ということです。

自分のいいところも、悪いところも、全部ひっくるめて「ま、自分ってこんなもんだな」と思える、ということです。

決して、完璧である必要はありません。

学校の先生は、生徒のお手本となるように、なんでもできなくては…と思いがちですが、完璧な人間なんていないのです。

たとえ授業が上手くいかなくても、自分を否定しない。反省はするけど、くよくよしすぎない。

自分の長所も、短所も、どちらも許せる自己肯定感は、先生にとって必要な資質だと思います。

 

コンプレックスを自覚している

「②コンプレックスを自覚している」は、自分の教員時代を振り返って思うのですが…

生徒と話をしていると、自分の学歴や見た目、家庭の問題、友達関係など、様々なコンプレックスが刺激されて、心がざわついたり、落ち込んだりすることがありました。

私の体験談
  • 生徒に「授業がわからない」と言われる→自分は推薦で大学に入ったから、あまり勉強してきていないせい?と考える
  • わがままばかり言う生徒を見て腹が立つ→自分は長女だったから、しっかりしなくては・周りの人に迷惑をかけてはいけない、と思って生きてきたのに…と苛立つ
  • 見た目や振る舞いが派手な生徒に強く指導できない→自分が中学時代、目立たない生徒だったから?と考える

 

先生は生徒に寄り添うことも大事な仕事です。ですから、コンプレックスがある方が、生徒に共感できると思います。

けれど、コンプレックスを自覚していないと、ただ心がザワザワして、必要以上に生徒に冷たく当たってしまったり、関わることを避けてしまうこともあるのです。

自分の心の問題を、生徒の問題行動に投影しない。

コンプレックスはあってもいいけれど、自覚することが大事です。

人が無意識にしてしまう、心の動きについて解説された動画です。

精神科医・益田裕介さんの動画は、とても勉強になります。

無意識の誤作動「投影」「転移」について【精神科医益田裕介】

生徒が考える「良い先生」とは

学校に勤めていたとき(なかでも支援員として働いていた4年間)、子ども達の「先生に対する小さな不満」を聞く機会が多くありました。

これを反面教師にすると、生徒が考える「良い先生像」が見えてきます。

子どもが嫌う先生の特徴
  • 悪いことをしても叱らない
  • 一方的に怒る
  • 時間を守らない
  • 一貫性がない
  • 柔軟性に欠ける
  • 細かすぎる
  • 大雑把すぎる
  • 身なりに清潔感がない

私が一番多く聞いたのは、意外にも「先生が叱ってくれない」「先生に怒ってほしい」という声でした。

みなじょぼ
みなじょぼ
先生に怒られるのって、イヤじゃないの?
小学生
小学生
イヤなときもあるけど、怒ってくれないのもイヤです
みなじょぼ
みなじょぼ
怒るのも体力使うのよ…子どもの気持ちって複雑なんだね
子どもの本音
  • クラスの中で、悪いことをしている子どもがいたら、注意してほしい
  • 行事の本番前、クラスがだらけた雰囲気になっていたら、喝を入れてほしい

先生が叱ったり、怒ったりすると、子どもたちは「先生の本気度」を感じるのかもしれません。

 

また、子どもたちは「休み時間が短くなること」についての不満をよく話していました。

特に小学校の先生は、授業終わりのチャイムが鳴っても、授業を続けがちです。

小学生
小学生
先生が授業時間オーバーしてるのに、私たちに「時間を守れ」って言うの、おかしくないですか?
みなじょぼ
みなじょぼ
たしかに、その通りだね
子どもの本音
  • クラスのルールについて、言うことに一貫性があってほしい。でも、時にはルールを変える柔軟さも持っていてほしい。
  • ノートの書き方や掃除に細かすぎる先生はイヤ、でも大雑把すぎる先生もイヤ。

ほかにも、小学校高学年から中学生の女子は、先生の外見をよく見ていました。

服がヨレヨレだったり、髪がべとついていたり、汗臭かったりすると、苦手意識を感じていました。

清潔感のある身なりは、社会人として最低限のマナーです。

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以上のことから、子どもたちが考える「良い先生」をまとめます。

子どもが考える良い先生とは

①ルールを守る先生(悪いことは注意する、時間を守る、身だしなみを整える)

②一生懸命な先生(子どもと一緒に動き、時には怒る)

③一貫性と柔軟性のバランスが取れている先生

④細かさと大胆さのバランスが取れている先生

先生と子どもの「良い先生像」は一致しないこともある

先生が考える「良い先生」と、子どもが考える「良い先生」の特徴は、一致しない時があります。
立場が違うので、それは当然のことです。

先生の中には、子どもから嫌われることを恐れる人もいると思います。

みなじょぼ
みなじょぼ
先生になりたての頃、私も生徒に嫌われるのが怖いと思っていました

しかし、子どもを成長させるためには、子どもが嫌がることも言わなくてはいけません。

先生と児童生徒は、友達ではないのです。

みなじょぼ
みなじょぼ
子どもの成長のために、嫌われる覚悟が必要です

それでも、子どもは先生の本気を感じています。

言葉や態度では反発したり、やりたくないと逃げたり、泣いたりしていても、心の中では先生の言うことを理解しようとしています。

先生は、子どもの言動や態度に振り回されず、一貫した態度で接することが大事です。

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理想の先生の形はひとつじゃない

この記事では、先生と子どもが考える「良い先生」について解説しました。

良い先生には共通点がありますが、先生の形はひとつではありません。

学校という社会の縮図の中で、いろんな先生がいることが、教育の豊かさをつくります。

良い先生になるには、先生の仕事を一生懸命やることはもちろん、趣味を楽しんだり、家族との関わり、友達付き合い、恋愛、結婚、子育てといった人生経験を重ねることでさらに深みが増します。

仕事もプライベートも楽しむことが「良い先生」につながると私は思います。

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