職場で「管理職や同僚とうまくいかない」と思った事はありませんか?
自分がまだ新人だったり、一緒に仕事をするのが初めてだったりするときは、管理職や同僚とコミュニケーションがうまくいかない事はあります。
しかし時には、そういうことでは説明できない「わかり合えなさ」や「すれ違い」を感じることがあります。
そんなときは 「もし部下が発達障害だったら」を読んでみると、気づくことがあるかもしれません。
「もし部下が発達障害だったら」のタイトルには「部下」と書いてありますが、部下にとらわれなくて大丈夫です。
管理職、職場の先輩、職場の後輩など、どの立場の人を頭に浮かべて読んでも役立つ本です。
また、自分が発達障害の傾向があって仕事はうまくいかない、という人が読んでも活用できる本の構成になっています。
- 職場の人間関係に悩む人
- 職場で発達障害を持つ人への配慮が知りたい人
目次
「もし部下が発達障害だったら」の基本情報
佐藤恵美(精神保健福祉士・公認心理師・キャリアコンサルタント・臨床発達心理士)
ディスカヴァー・トゥエンティワンのnoteでは、佐藤さんが発達障害にまつわる相談に答えています。
はじめに
序章 もし部下が発達障害だったら
第1章 「発達障害」と白黒はっきりさせることは難しい
第2章 発達障害の特徴を知る
第3章 職場で起こるさまざまな問題
第4章 事例から学ぶ 上司は同対応したらよいのか
第5章 職場として発達障害にどう関わるか
おわりに
2018年3月
「もし部下が発達障害だったら」はざっくり言うと、どんな本?
「もし部下が発達障害だったら」を一言でいうと、こんな本です。
- 職場の人の「理解できない行動の理由」や「配慮の仕方」がわかる本
- 発達障害の人が「職場でどのように仕事を進めたらいいか」がわかる本
「もし部下が発達障害だったら」は、発達障害の中でも、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動性障害(ADHD)について書かれています。
本の前半では、ASDとADHDの特徴がくわしく解説されています。
本の後半では、よくある事例をもとに
- 上司はどのように指示を出したら良いか
- 部下はどのようにコミニケーションをとって仕事をしたらいいか
が具体的に書かれています。
出版社の書籍紹介文はこちら昨今「発達障害」という言葉がより身近なものとなっています。
芸能人がカミングアウトしたり、メディアで取り上げられたりして、多くの人に知られるようになりました。
しかし、注目度が上がった結果、レッテル張りが横行し、偏見を助長することにもなりかねません。
発達障害の有病率はその一種であるASDで100人に1人、ADHDで30人に1人程度と言われています。
診断されていない人や疑いのあるグレーな人も含めれば、決して稀ではない相当数の存在だと言えます。
発達障害の特徴がある人への対応はもはや特別な配慮ではありません。
とくに、人間関係が大きく結果を左右する職場において発達障害への理解・対応は今後ますます「当たり前のマネジメント手法」となるでしょう。
本書は専門的な解説と具体的な事例を交えて、発達障害を適切に理解し対応できる内容となっています。
引用:ディスカヴァー・トゥエンティワンホームページ
「もし部下が発達障害だったら」を元教員が読んだ感想
子どもの発達障害をテーマにした本は読んだことがありましたが、大人の発達障害をテーマにした本を読むのは初めてでした。
わたしが今まで職場で出会った人の中には、理解できない行動をしていたり、うまくコミュニケーションが取れない人がいました。
その人たちが「なぜあんな行動をとっていたのか」「どんなことを考えていたのか」ということについての謎が解けるような本でした。
「行事の進め方」について、会議で対応の方針を決めたのに、その方針と違う方法で進めていく先輩教員がいました。
そのとき私は「どうしてそんなやり方をするのだろう。私も会議で意見を言ったし、みんなで決めたことなのに、なぜそれを無視するのだろう」と不満に思っていました。
しかしこの本を読むと、発達障害の人の中には、会議の話の流れを読んだり、要点をおさえたりするのが難しい人がいるということがわかりました。
「もし部下が発達障害だったら」によると、人には、耳で聞いた情報を処理するのが得意な人と(聴覚優位)目で見た情報を処理するのが得意な人(視覚優位)がいるとのことです。
「もし部下が発達障害だったら」を読んで、「もしかしたらあの先輩教員は、耳で聞いた情報を整理するのが苦手な人だったのかな」と思いました。
また私自身も、解決が難しい生徒指導の問題について、耳で聞いて話の要点を理解するのが難しいと感じた経験を思い出しました。
先輩教員たちが話をどんどん進めていって、自分自身の理解が追いつかず、置いてけぼりな気持ちになったことがあります。
- 「自分は聴覚優位なのか、視覚優位なのか?」
- 「一緒に仕事をする同僚は、聴覚優位?それとも視覚優位?」
自分の得意な情報の受け取り方を意識して仕事を進めると、仕事上の食いちがいが少なくなるかもしれないと思いました。
いわゆる「報・連・相」をしてくれない同僚がいました。
同じ学年の担任同士だったので、自分が知らないところで話が進んでいたり、授業直前になってから準備が終わっていないことが分かったりして、うまく連携が取れないと悩んだことがありました。
しかしこの本によると、発達障害の人の中には「何を、どのくらい、どの時点で報告したら良いのか」がわからないということがあるそうです(同僚が発達障害かどうか分かりませんが)。
自分が当たり前と思っていた「報・連・相」のタイミングは、同僚にとっては当たり前ではなかったのです。
『自分が納得がいくタイミングで「報・連・相」をしてもらえるような仕組みを整える』という対処法があったと気づきました。
「もし部下が発達障害だったら」は職場の人間関係を見直せる本!
今回は「もし部下が発達障害だったら」という本を紹介しました。
この本を読みながら、今まで出会った職場の人や、自分の働き方を振り返ることができました。
また、自分の当たり前は、他の人にとっては当たり前ではないと言うことに改めて気づきました。
「もし部下が発達障害だったら」に書かれていることを参考にすれば、自分の考え方や仕事の進め方を変えて、職場の人と協力して仕事を進めていくことができそうです。
「もし部下が発達障害だったら」は、書籍版、電子書籍版、朗読した音声を聴くオーディブル版の3種類があります。
電子書籍版とオーディブル版は、Amazonのサービスを使うと「30日間無料」で読むことができます。
https://www.minajovo.com/developmental-disabilities
https://www.minajovo.com/special-education-teacher