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うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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今回紹介する本は「うつヌケ」です。

「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」はどんな本?

田中圭一さんという漫画家さんが書いた本です。

田中さんのツイッターアカウントはこちらです➡はぁとふる愛国士(田中圭一) (@ktanaka18815213) | Twitter

うつ病を経験した田中さんが、うつ病を脱出した人を取材し、その体験談をマンガでまとめた本です。

全部で17人の方のうつ病体験談を読むことができます。全編マンガなので、読みやすいです。

「うつヌケ」を読んで心に残った3つ言葉

①うつになった原因は「自分をキライになったこと」(P.5)

②うつ病になりがちな人の共通項は「認知がゆがんでいる」(p.100)

③物事を悪い方に考える人は、危機を回避しやすく生き残る確率が高い!太古にそうやって生き残った人たちの子孫が私たちなんです(p.106)

「うつヌケ」を読んで心に残った3つの言葉について、詳しく解説していきます。

 ①うつになった原因は「自分をキライになったこと」

「わたしって、なんでこんなことも出来ないんだろう」

「オレってなにもできないダメ人間じゃん」

そんなふうに、自己嫌悪におちいることは誰にでもあることです。

しかし、この小さな「自己嫌悪」がうつへの大きな引き金になると田中さんは書いています。

私自身うつになったきっかけは、まさに「自己嫌悪」でした。

「前の職場では授業がうまくいっていたのに、転勤したらこれまでの授業のやり方が通用しない」

「これまで働いてきた経験は何だったんだろう」

 こんな風に自分を責めて、けなして、気分が落ち込んでいきました。

なので『うつになった原因は「自分をキライになったこと」』という言葉につよく共感しました。

②うつ病になりがちな人の共通項は「認知がゆがんでいる」

「認知がゆがんでいる」ということはどういうことでしょうか?

本の中から引用すると

「買ったばかりのパソコンがなぜかクラッシュ、それが2回くり返されたとしたら…”きっとオレはコンピューターとは縁がない。デジタルとは向き合わないで生きていこう”と考える」

「クラスのたった数人に嫌われただけなのに、クラス全員に嫌われていると思い込んでしまう」

 ということです。

 「これ、わたしのことだ。当てはまりすぎる…」と思いました。

 たとえば、自分が研究授業(たくさんの先生方の前で授業をして、アドバイスをもらうこと)をしたとき。

授業後の研修会で参観者から質問や意見を言われると

何でわたしの人格まで否定するの?あなたにそんな資格ある?

と思って、泣いたこともありました(翌日、校長室に呼び出され「事後研で泣くんじゃない」と校長に怒られ、また泣きました。笑)。

参観者は、授業について意見しているだけで、わたしの人格を否定しているわけではありません(今ならそれが分かるのですが…)。

このように「自分には認知のゆがみがあるなぁ」と勉強になったので、この言葉が心に残りました。

③物事を悪い方に考える人は、危機を回避しやすく生き残る確率が高い!太古にそうやって生き残った人たちの子孫が私たちなんです

世間ではなにかと

ネガティブ思考はダメ!ポジティブに、前向きに生きよう! 

と言われがちです。

しかし、物事を悪い方に考えるのは人間が生き残るために必要な考え方だったということが、この言葉の意味です。

ネガティブに考えてしまうのは、自分の性格の問題だけじゃないんだ!

と、心が軽くなりました。

ネガティブ思考について、こんな風に反論してくれる言葉に出会ったのは初めてでした。

「うつヌケ」を読んだ感想

著者の田中さんがうつトンネルを脱出したきっかけは、たまたま立ち寄ったコンビニで『「自分のうつ」を治した精神科医の方法』 という本を手に取ったことだそうです。

クリエイターとして「うつで苦しんでいる多くの人たちにとって「偶然出会う一冊」を描いて世に出さねばならない 

という想いを抱き「うつヌケ」を執筆したそうです。

田中さんのこの言葉に触れて、わたしにも夢ができました。

それは「うつ病で休職したり、退職した学校の先生に取材をして、1冊の本にまとめる」ということです。

学校現場では、メンタルの不調を訴えて休職したり、退職する人が増えています。わたしもその一人です。

うつ病で苦しんだ経験をムダにしないためにも、心を病む先生が1人でも減って、心を病む先生への理解が深まるような本を書きたいです。

田中先生、わたしの人生を変える本を書いてくださり、ありがとうございました!

★合わせて読みたい★

体が丈夫な中学校教員が、うつ病になって精神科に通院するまで – 先生ライフ向上委員会

本日紹介した書籍情報

【書籍名】うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

【著者名】田中圭一

【出版社】角川書店

【出版日】2017年1月19日

【こんな人に】うつ病を患っている人、うつ病が治ることに希望が持てない人

【キーワード】うつ病、うつ病体験談

【頁 数】173ページ

【目 次】

第1話 田中圭一の場合①

第2話 田中圭一の場合②

第3話 田中圭一の場合③

第4話 照美八角の場合

あのときボクはうつだった その1

あのときボクはうつだった その2

第5話 折晴子の場合

第6話 大槻ケンヂの場合

第7話 深海昇の場合

第8話 戸地湖森奈の場合

第9話 岩波力也・姉原涼子の場合

第10話 代々木忠の場合

第11話 宮内悠介の場合

第12話 鴨川良太の場合

第13話 精神科医・ゆうきゆうの話

第14話 ずんずんの場合

第15話 まついなつきの場合

第16話 牛島えっさいの場合

第17話 熊谷達也の場合

第18話 内田樹の場合

第19話 一色伸幸の場合

第20話 総まとめ

エピローグ

うつヌケこぼれ話 その1

うつヌケこぼれ話 その2

あとがき

https://www.minajovo.com/nightrisetto